絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

知を増せば憂いを増す

おはなしにぴったりの絵描きさんを見つけるのは難しい。書いている途中で、この人しかない!とひらめくこともあり、そういうときはいいのだが、ひらめかないときは悩み苦しむことになる。
具体的な候補を頭に置き、あの人だったらこんな風になるだろうかと想像していく。もうおなじみの作業だ。そのために日ごろから絵本を読んだり、ギャラリーを回ったりしているわけだが、それでこの作業が楽になったかというと案外そうでもない。かえって迷いが増えた気さえする。絵本の描き手をたいして知らないころは簡単に「この人だ!」と思えたものだ。