絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

白いか?

郵便局に行く途中、妙に大きな白猫を抱いたおばさんに「おはようございます」と挨拶された。如才なく「おはようございます」と微笑むと今度は「顔、白いわねえ」と言われた。不意打ちだった。「色白ねえ」という誉め言葉のように聞こえたが、ぼくの自覚としては「血色が悪い」の方が正しい表現だと思う。
「いえいえ無精ひげだらけで」と応えたのは動揺のせいだったろうか。
「あなたの猫さんほどじゃありませんよ」とでも応えておけばよかった。

部屋のダンボールがなくなった。十日あまり。早くもないが遅くもない。物の置き場所はかなり暫定的なので、使い勝手を洗練させていくにはまだ遠い道のりがある。ひと月でそれなりの安定にたどり着ければぼくとしては上出来だろう。