絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

最終コーナーを回って

ひとくちにラフといっても絵描きさんによってずいぶん違う。
高畠純さんのラフは細部まできちっと描きこまれた「あとは色を塗るだけ」の完成度だった。あべ弘士さんは束見本にさらっと描かれた「想像力を働かせないと何が描いてあるかわからない」ラフだった。中辻悦子さんは色鉛筆によるラフで色があるぶん仕上がりがイメージしやすかった。

Y.Mさんの再ラフは、水彩とマーカーだろうか、ラフというにはかなり本番に近い形で届いた。編集者と会って3時間、一晩頭を冷してから翌日電話で1時間半、議論し相談し決断する。
ぼくの仕事は山を越えた。絵描きさんはこれからが勝負。