絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

月曜日はアースシー

月曜日は映画「ゲド戦記」を観た。

クレジットには原作「ゲド戦記ル・グウィン作)」とあるが、原案「シュナの旅」ともある。「シュナの旅」は宮崎駿が20年以上前に発表したコミック。原作と原案が別々にある映画というのはかなり珍しいのではあるまいか。

ぼくは原作は3巻まで読んでいる。3巻から17年のときを経て書き継がれた4巻以降は作者の思想が前面に出すぎとの評判を耳にしたこともあり、ぼくの中のイメージが壊れそうな気がして、読んでいない。

映画はというと、これは予想以上にオリジナルストーリーだった。原作からキャラや設定の多くを借りているものの、実に遠慮なく作り変えている。壮大で重厚な原作を2時間の枠に収めるには、思い切ってコンパクトにする必要があったのだろう。
原作を読んでいない人にはわかりにくい部分があったと思うが、あとから読んでも遅くはない。あれだけ違えば、似たところのある別の作品として観賞できる。

映画で重要な役割を果たしているテルーは4巻の登場人物。だからぼくにも「あれ?」と感じるところがけっこうあった。さて、ぼくは4巻以降を読むべきなのだろうか?