絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

日曜日はボローニャ

日曜日は会期も終盤に入った板橋区立美術館ボローニャ国際絵本原画展を観にいった。目当ての一つは「ボローニャ入選者にきく」という座談会。
今年入選して現地に行ってきた方3名と、今年審査員を務めた松岡希代子さんのボローニャ話をたっぷり聞く。
それによると約2500人の応募者のうちおよそ25%が日本人で、これはご当地国イタリアに次ぐ多さだそう。すごい。入選者は92人で、うち日本人が27人だから約30%、質量共に相当な進出ぶりなのである。
ボローニャ入選をきっかけに外国出版社との仕事を実現するケースも増えていて、今回みえていた入選者3名も、2人が既に絵本刊行、あと1人も企画進行中との話だった。国際的なコンクールならではのことだが、メールでの打合せ、契約書の作成等、言葉の壁による苦労はやはりあるようで、決して甘いことばかりではないのもわかった。
興味深いのは海外の出版社からのオファーはあっても、日本の出版社からのオファーはほとんどないということ。座談会では新人発掘への意欲の違いではないかと言われていたが、ぼくはそればかりでもないだろうと思う。ではなんなのかは、はっきりとは言えないけれど。
とにかく日本の出版社とつきあう以外にも道があるのはいいことだ。先に海外で出版する人も増え、中にはそこから逆輸入で日本での出版に至る人もいる。今の時代、作家にはいろいろなチャンスがあり得るのだ。