絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

昨日今日

今年も後半に。
昨日は打合せの後、神保町の檜画廊へ。絵本『ぴっつんつん』の画家もろかおりさんの個展。絵が先にあり文が後にできたという珍しい制作過程について、もろさんご自身からうかがえて興味深かった。
谷中のギャラリーJin Esprit で早川純子個展「ごろり玉手箱」。モノタイプの青が今まで早川作品で見たことのないような色だった。「前回の個展で赤を多く使ったから」「制作中暑かったから涼しい色を」と早川さん。そ、そんな理由なんですか。
今日は講談社野間記念館の「近代の歴史画と『講談社の絵本』展」。カッコつきの「講談社の絵本」というのは戦前まだ現在のような国産創作絵本がなかったころ、当時一流の日本画家を起用し、偉人伝・昔話を絵本化したシリーズ。原画は初めて観た。井川洗厓の猿蟹合戦に驚愕。猿は普通のサルだが蟹がすごい。蟹面人とでも言うべきか、首から下が人間で、頭の代わりに蟹の全身がついているのだ。蜂もそう。人間の頭が無くなって代わりに蜂がくっついている。あまりのシュールさに笑ってしまった。こんなキャラを描ける人はそうはいないだろう。いるわけがない。