絵本作家風木一人の日記

絵本作家風木一人の日記です。

新訳で再読しましょうシリーズ

グレート・ギャツビー」(スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳)
キャッチャー・イン・ザ・ライ」(J.D.サリンジャー 村上春樹訳)
星の王子さま」(サンテグジュペリ 池澤夏樹訳)

やれやれ。恥ずかしいような「名作」揃い。
いずれも十代か二十歳そこそこで読んだものを、改めて新しい翻訳で読んでみた。ギャツビーと王子さまは大きく変わった印象はなかった(小学生のぼくの頭をグルグルさせた「ウワバミってけんのんだろ」が「ボアって危ない動物だし」になっていたりはするが)。
キャッチャーは違った。旧訳「ライ麦畑でつかまえて」(野崎孝訳)はとにかく読みにくくていらいらした覚えがあるのだが、こちらはうって変わってすらすら読める。文体が全てみたいな作品だから、これはもうほとんど別の本といっていい。どちらが原作に近いのか知らないが、ぼくは迷わずこちらを買う。
旧訳のタイトルはおそらく意図的誤訳だしね。